東京と越後奥寂庵との違い

東京と越後奥寂庵との違い東京での仕事を終え、越後奥寂庵に戻りました。東京オフィスは渋谷、新宿、吉祥寺から20分圏内の永福町駅から徒歩4分。セッションルームは地下なので、冷暖房を入れなくても灼熱の夏でも28度までしか上がらず、寒い冬でも18度までしか下がらず、湿気もなく快適そのものです。スーパー、銀行、郵便局も近くにあり、便利この上ないオフィスです。個人事業主はある意味、何でも屋です。職人、専門職、研究職、経理、営業、クリエイター、デザイナーなど、 一人で何でもこなします。そのような様々な仕事を能率よくこなすには、東京オフィスは最適な場所です。

まだ仕事が残るなか、関越自動車道を新潟に向けて走っていて、ふと頭にある思考がよぎります。「何で、こんなに不効率なことをしているんだろう。新潟との往復は疲れるし、東京で仕事をしていればもっと悠々自適にいろんなことができるのに」と。

でも、越後奥寂庵に着いて愛車を降り、天の河がくっきり見える満天の星空が目の前に広がり、流れ星が鮮明に見える光景に圧倒された瞬間、「やっぱりこれでよかったんだ」という気持ちになり、腑に落ちるのです。

現実に適応するための「自我」は、都会の便利さ、無駄のない効率性、思考の明晰さと論理性、環境の変わらない安定性を望みます。越後奥寂庵はそのような質の正反対の場所です。不便な場所で無駄が多く、自然環境に左右されっぱなしで、思考は無意識や自然からの刺激で混乱します。しかし「自我」は混乱して波立つのですが、自我が混乱し、降参するにつれて、肚にある「自己」が現前に現れるのです。「自己」が現れると「やっぱりこれでよかったんだ」と腑に落ちるの です。

健全な自我というのは、必要な時には現実に適応するために効率性、論理性、自我境界の形成、自己主張、思考の明晰さを発揮し、「肚にある自己」「自然豊かな外界」「場のいのち」が働き出した時に明け渡せるのが「健全な自我」なんだと思うのです。混乱、無分別を許容できるのが「健全な自我」なのでしょう。

自我は巧妙なので、常にリセットする必要があります。そのための越後奥寂庵です。

画像は越後奥寂庵に到着した際に越後奥寂庵の玄関から撮影したものです。決して合成した写真ではありません。

東京と越後奥寂庵との違い

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