梅原猛氏の死去

梅原猛氏が亡くなられました。越後の地で霊性を深めたいと思い、越後奥寂庵を構えたのは、鈴木大拙氏とともに、梅原猛氏の影響が大きかったのです。ご著書「日本の霊性 ー 越後・佐渡を歩く」をはじめとして、親鸞、法然、縄文、森の思想など、梅原氏のご著書より多くの影響を受けました。梅原氏は国宝の縄文土器「火焔型土器」を絶賛し、十日町市博物館の名誉館長を、平成22年までの10年間務められたことも、越後に惹かれた要因の一つでした。

西洋文化発祥のものを、日本人としてどのように編集していくかを考え、実行する上で、河合隼雄氏と梅原猛氏はとても大きな存在でした。お二人ともアカデミックな世界の方でありながら、一般人に分かりやすい言葉で表してくださいました。しかも言葉の背後には魂のうねりが感じられました。西洋的な思考法、他人にどう思われるか気にしない自我の強さ、それとともに意識と無意識の境界が曖昧な日本的要素を兼ね備える希有なお二人だと、私は思っています。梅原氏のご著書は、読むだけで歴史上の人物が魂のうねりを伴って生々しく迫ってきます。生臭いというか、人間くさいというか。それは、梅原氏が頭だけではなく、身体に流れるうねりを感じながら思索していたからのように、私には思えるのです。無意識と意識の間を縦横無尽にうねりながら書かれたご著書に、私はとても惹かれます。

私にとって、異界と繋がる偉大な妖怪(尊敬を込めて)が亡くなられたことは大変残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。

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