素敵なカール・ベンクス氏を訪ねて

古民家再生に携わる人なら誰でも知っている著名な建築デザイナー、カール・ベンクスさんを彼のオフィスに訪ねました。今回でお会いするのは4回目ですが、いつも温かかく優しく迎え入れてくださいます。

カール・ベンクス氏

カールさんは「日本の木造建築は世界一」と豪語するドイツ人です。職人気質のドイツ人が言うのですから、本当にそうなのでしょう。そのような素晴らしいものが、空き屋になり廃屋になってしまうことを嘆き、情熱を持って再生をされている素晴らしい方です。このような方が、奥寂庵の近くにお住まいなのは、なんと恵まれていることでしょう。私は、奥寂庵を日本的霊性を深める場と位置づけていますから、奥寂庵は和のままですが、私の父がウィーンで育ったこともあり、ドイツやオーストリアには親しみがあるので、個人的にはカールさんのドイツと日本が見事に融合した建物は大好きなのです。

カールさんとは、立場は違えど、この地にある豊かさを大切にし、次の世代に繋げていきたいと、あらためて思いました。また、伺わせて頂きます。

以下に、カールさんが代表を務める会社「カール ベンクス アンド アソシエイト」の挨拶文を引用します。カールさんの思いが皆さんに伝わりますように。

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私が日本にやってきたばかりの高度経済成長が始まろうとしていた頃は、まだ東京は銀座にも木造の建物が立ち並び、日本の風情がそこかしこに感じられました。それが、経済成長とともに、日本全国、風景や建物、街並みの画一化が進んでしまいました。どこへ行っても、その地の文化、生活のにおいがしない、のっぺら棒のような風景になってしまいました。

「古い家のない町は、思い出のない人と同じです」とは、東山魁夷がわたしにくれた言葉。古い=価値がないのではありません。古いものは、歴史や思いがつまった、単なる”モノ”以上のものなのです。

使い捨て、大量消費の文化とともに、日本人はモノを大切にすることを忘れつつあるのかもしれません。この世界に誇れる文化の現状は私にとって残念で悲しいものです。私は、その素晴らしさを後世に残し伝えたいと思います。

民家の再生は、単なる建物の再生ではありません。民家の再生が、スクラップアンドビルドに象徴される現代日本の価値観、その見直しや、暮らし方、考え方の再生にもつながることを私は望んでいます。

カール ベンクス アンド アソシエイト公式サイトより
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