小豆から学んだこと

ほぼ一日掛けて小豆の脱穀をしました。まず、ストーブの前で殻を乾燥させてから、殻をひとつずつ剥いて小豆の状態を確かめながら取り出しましたが、干し方が十分でなかったために、残念ながら半分は駄目になっていました。元気な小豆が出てくると喜び、腐っていると「いのちを活かしてあげられなかった」という申し訳ない気持ちになりました。

同じ作業を黙々と続けていると、殻に触れただけで、なかの小豆が元気なのか駄目なのかが分かるようになります。どんなに汚れていても形が変形していても殻がしっかりしていると小豆は元気なのです。小豆を守るための殻はとても重要だと作業を通して実感しました。

そしてそれは、私たち人間にとっても言えることだと思ったのです。「人間にとっても、内面の自己を守るための殻はとても重要だ」と。人間も、外界に適応するために殻は傷つき、汚れ、変形しているけれど、その殻があるおかげで、みずみずしいいのちが保たれていることを、小豆は教えてくれました。

なかの小豆の準備が整うと殻は自ずと開き、小豆は飛び出ます。飛び出た小豆は、大地に蒔かれ、春には新しい芽を出しますが、それも人間にも言えることだと思いました。私たちの内面が成熟すると殻は自ずと開き、自己が表出するのです。無理矢理開こうとしなくていいのです。そして本来の自分である自己も、大地に委ねることによって、自己が溶けて、より大きないのちに内包されていくであろうと。

小豆を剥いていると、殻より小豆にいのちを感じるのは当たり前ですが、私たちの多くは、殻を自分だと思い込んでいますから、その奥に目を向けることが大事だと思いました。

効率性、生産性を考えると、小豆を一日掛けて剥くのは無駄に思えます。しかも脱穀に辿り着くまでに、土を作り、マルチを張って種を蒔き、追肥をし、収穫してから干す作業がありますから、お店で餡子を買った方がどんなに楽なことでしょう。でも、自然からは多くを学べます。

ちなみに、右側の黒い豆は、丹波の黒豆です。次回、丹波の黒豆の脱穀をします。

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