改築後の東山魁夷館

一昨日、今月中にどうしても都市銀行系金融機関で窓口手続きをする必要があり、奥寂庵から一番近くにある長野支店まで行ってきました。折角長野まで来たので、大好きな画家の東山魁夷館と善光寺に立ち寄りました。

「東山魁夷館」は改築後、初めての訪問でしたが、改築前と全く変わらず、静かに絵を味わうことのできる空間となっていました。

東山魁夷が彼の人生のなかでもっとも困難な状況にあり、悲しみに打ちひしがれていた時、千葉県の鹿野山を眺める風景に出逢い、風景とご自身が同じ運命にあると感じたそうです。そして鹿野山の風景に、甲州と上越の山々の情景を重ね、心の反映と祈りを込めて描いた絵「残照」が、世に出るきっかけになりました。

風景と対話をし、意識の深層で繋がっていたからこそ、魁夷画伯の絵からは「我」というものが感じられず、自然のなかに居るのと同じような静寂を感じることが出来るのでしょう。「心貧しきものは幸いである。天の国は彼らのものだから。」という聖書の言葉を思い出します。ですから、自然のなかで佇むのと同様に、この「東山魁夷館」で絵の前に佇むことが好きなのです。いい時間を持つことが出来ました。

奥寂庵は、上越の中山間地帯という不便な場所にありますが、永平寺、鈴木大拙館、東山魁夷館など、私にとって興味のある地域に足を伸ばすにはとても便利な場所なのです。時期を観て、臨済宗の白隠禅師が大悟された飯山の正受庵、曹洞宗の良寛さまが晩年過ごされた寺泊の五合庵にも再訪しましょう。

善光寺では紅葉が綺麗でした。

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